Roland SD-50の仕様とか
Roland SD-50の仕様について未だ結構勘違いされてる方も多いようなので、「今パッと思いつく所」だけ箇条書きでまとめてみました。
Mobile Studio Canvas SD-50 バンドル
Roland SD-50 モデル
・GM MODE
| |―・GM2 MAP
| | |―・CONTEMPORARY MODE
| | |―・CLASSICAL MODE
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| |―・SD-50 PRESET MAP
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| |―・SOLO MAP
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・GS MODE
【GMモードについて】
- 「GM1 System On」、「GM2 System On」を受信するとこのモードになる。
- 「GM1 System On」と「GM2 System On」の、どちらを受信してもSD-50の「GM2マップ」は使える。
- 「SD-50 SOLOマップ」と「SD-50 PRESETマップ」は、「GM2 System On」を受信させないと使用できない。
- 「GS Reset」、「System Mode Set」などGS音源のシステムセットアップメッセージを受信すると「GSモード」になる。
- 「GMモード」下の3マップ( GM2 MAP、PRESET MAP、SOLO MAP )は併用可能。
- 「GMモード」と「GSモード」は併用不可。
- SD-50本体側の設定で、GM2マップを指定して鳴る波形を「CONTEMPORARY」か「CLASSICAL」の2つのモードに任意変更出来る。
- 「CONTEMPORARYモード」はSD-50のメインのモードで、実はFantom-Xよりも後発のFantom系の音です。DTM音源用にダウングレードした感じとはいえFantom-VSと同じ音してるので、Fantom-VSと同じようにFantom-Gの波形を流用したパッチをプリセットにしたのだと思います。まあFantom-GとFantom-VSなんてすごいものは持っていないので、実際に音聴き比べた私感ではありますが……。
- 「CONTEMPORARYモード」の長所は、単純にいい音の音色なこと。「SD-」なんて名前が付いてるものだから、よくXVシリーズ派生型のSD-90/80、SD-20と比較されますが、波形メモリ的にはXV系ではなく完全にFantomシリーズ派生型です。ちなみに、Fantom-X派生のSonicCellよりもクワイア・金管・木管の音が良いです。
- 「CONTEMPORARYモード」の欠点は、音が太いぶん音色同士が混ざり合いにくいこと(当然といえば当然なのですが)。MIDI演奏だけでアンサンブルさせると帯域同士が被ってマスキングしやすいので、すっきりさせるにはDAWで録音した音声をEQで処理してMIXさせていくスタイルを取ります。「音が薄いぶん昔の音源のほうがまとまりやすかった」というのはSD-50に限った話ではないので、特に気にしなくて良いと思います。
- 「SD-50 SOLO MAP」はバイオリン、トロンボーン、尺八の3音色。
- この3音色、予めコントロールチェンジ#16~19、#80~#83のTone Modifyにパラメータがアサインされていて、ピチカート奏法に変わったりフォールしたりブレス量が変わったりなど、音のニュアンスが変化します。
- 奏法ニュアンスをアコースティックに表現できそうな分、奏法を知っておかないと「それっぽい表現」の打ち込みをするのがめんどくさいかも。
- 「それっぽい」にそこまでこだわらないのであれば、新しい音色が手に入ったぞ、で幸せになれるのでそれはそれでいいと思います。
- 誰だ尺八要らんって言ったやつは。
- この3音色については、SuperNaturalに似ているけど、SuperNaturalの前身はFantom-Gシリーズなので、SD-50のSOLOマップは……なんだろう? おまけ?
【SD-50のGSモードについて】
- 「GS Reset」、「System Mode Set(SC-88)」を受信するとSD-50はGSモードになる。
- SD-50のGSモードはSC-55マップそのもの(昔の音源の中身も一緒に積んでると考えればいい)です。波形メモリは、おなじみSC-88系のように、SC-55MAPの波形をそのまま積んでいます。よくカタログスペックだけ見ている人やエアレビューしている人の文章で「SC-55相当」って書かれていますが、間違っていますのでアテにしないほうがいいです。「SC-55相当」っていうのは、GSフォーマットMIDIの音色指定を「SC-55mkIIの音色指定相当の互換性で」GM2パッチで代替発音させていた、他のGM2音源の話です。
- 正確にはSC-55/SC-55mkIIとDAC(発音部)などハードウェア部分が異なるので、出音に違いはあります(音がクリアすぎる。オリジナルSC-55やSC-88の55MAPはもうちょっとくぐもった音してる)。最大発音数128ボイスのSC-55。
- カットオフ/レゾナンスのフィルターの効きはSC-88系のSC-55マップと同じ。SC-88系と同じで、オリジナルSC-55とは効き方が違う。
- 回線速度が強化された今時代、mp3にとって代わられたMIDIデータをやり取りして……なんて事は一般的じゃなくなったので、MIDI再生&視聴用にはさほど向いていません。普通にGS音源として使うか、軽い音がほしいなあって時、コンテンポラリモードのアンサンブルに混ぜて使うのに向いています。
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SD-50のGSモードは物好き向けですが、Fantom系の音源とGS音源が2つ一緒に入っていると考えればお得感あるような気がしませんか?
「しょぼい、MSGSレベルだ」なんていう人たち、MSGSとSC-55の音ぜんぜん違うぞ。
【搭載エフェクトについて】
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公式のカタログスペックと実機とで違います。GS音源SC-55マップのエフェクトと互換性があるので、SD-50自体が持っているエフェクトタイプはGM2規格より多いです。GM2モードでFantom系音色を使いながらGS音源にあったようなエフェクトが使えたりします。
- リバーブタイプ8種類
- 1. Small Room
- 2. Medium Room
- 3. Large Room
- 4. Medium Hall
- 5. Large Hall
- 6. Plate
- 7. Delay
- 8. Panning Delay
- コーラスタイプ8種類
- 1. Chorus 1
- 2. Chorus 2
- 3. Chorus 3
- 4. Chorus 4
- 5. Feedback Chorus
- 6. Flanger
- 7. Short Delay
- 8. Short Delay (Feedback)
- ステレオディレイ
- Left・Center・Right の左右+中央に独立したディレイエフェクト
- マスタリングエフェクト
- 低域・中域・高域 3バンドのマスターコンプレッサー
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私感になりますが、低価格帯の宿命か、SD-50のリバーブエフェクトはあまり質がよくありません。せっかく積んでいる波形が良いのに、SD-50内蔵リバーブをかけたら何だか音がボケてしまった……なんて事がよくあります(波形自体が良いからこそ低価格帯の内蔵リバーブが目立ってしまうだけかもしれませんが)。SD-50はもともとDAWソフトウェア付き解説マニュアル冊子付きのセット販売にも関わらず新品価格45,000円という破格商品だったため、音源のエフェクトの質を削らざるを得なかったのかなあ、なんて思ったりします。DACも低価格帯ハードウェア音源なりの質なので、リバーブを切った状態で録音して、DAW上でVSTプラグインのリバーブエフェクトをかけたほうが音がいいかもしれません。
【その他】
- なぜか広まってる勘違い①
- 「NRPNを受信しないじゃないか!」
- そもそもGM2規格はNRPNを受信しません。NRPNはMUシリーズやSCシリーズだけの独自拡張機能です。
- 「NRPNを受信しないじゃないか!」
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うーん、ぱっと思いつくのではこんなのしか出て来ない。
もっと色々あると思うのですが脳みその限界のようです……。
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逆にオーディオインターフェースあるし、DAWソフトあるし、SonicCellを持ってるって方は「お好み」で。
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エフェクトもマスタリングもハード音源一台で済ます「一台完結型指向」の方は、
マルチエフェクト未搭載なため、かゆい所に手が届かない状態になるかもしれません。
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現在はもう販売終了した製品で入手は中古市場のみになるので、ソフトウェア付きセットで売っていることはないと思います。今現在のDTMの環境を鑑みれば、曲作りのスケッチ用に真価を発揮する音源かもしれません。また、MFXがないことは逆に仕様が簡素ということでもあるので、仕様や使い勝手を把握しやすい音源ともいえます。Fantom系の波形を積みながら簡単にモノにできると考えれば、まだまだ使いようはあるのではないでしょうか。私自身がSD-50好きなので、SD-50、おすすめです。